「落ちるって聞いたけど、どのくらい怖いの?」
カリブの海賊に乗る前に、そう思って調べている人は多いと思います。
結論から言うと、落下は1回で約5メートル、角度は緩やか。
絶叫系が苦手な人でも、まあまあ大丈夫なレベルです。
でも、なぜ落ちるのか?という理由を知っている人は、意外と少ない。
カリブの海賊なのに「落ちる」って、普通に考えれば「なんで?」ってなりますよね。
なので、その理由を知ってから乗ると、感じ方がまったく変わって来るのです。
落下のスペック、怖さの正体、浮遊感の有無、子ども連れへのアドバイスまで、まとめて解説します。
落下は構造上の都合から生まれた
あの落下シーン、実は最初からスリル目的で作られたわけではありません。
そこには、深~い大人の事情があったんです。
もともとは、構造上の都合から生まれた演出。
で、それがいつのまにか、名物シーンになっていったという経緯があります。
鉄道をくぐるために地下が必要だった
カリブの海賊の原型は1967年、アメリカ・アナハイムのディズニーランドで誕生します。
ところが、建設予定地の真上をパーク内を一周する、ディズニーランド鉄道が走っていました。
そのため、アトラクションを地上に延ばすことができませんでした。
唯一の解決策が「鉄道の下にアトラクション空間を通す」こと。
つまり、地下に空間を作ることでした。
地上から地下へ、ボートを移動させるには高低差が必要になり、それが落下という形で生まれたわけです。
一気に急降下させると危険なため、2段階に分けて緩やかに下る設計になっています。
アナハイムでは、落下が2回あるのはこのためです。
パリのディズニーランドも同じ設計を踏襲して、2回落下する構造になっています。
東京では落下は1回になった
東京ディズニーランドは埋立地に建設されており、地盤が不安定なため地下構造は避けられました。
そのため、落下させる必要性はなかったです。
しかし、アナハイムの設計を参考に建設されたこともあり、落下演出は残る形になっています。
東京では地下に空間を作っていないため、落下は1回だけです。
タイムスリップ的な演出でもある
構造上の制約から生まれた落下でしたが、ディズニーはそれを演出として昇華させました。
骸骨が眠る洞窟を進み、デイヴィ・ジョーンズの映像が現れた直後に落下する流れは、現代から海賊たちが生きていた時代への、タイムスリップを表現しています。
落下の後から始まる海賊の世界が「過去の物語」であるという設定で、落下はその境界線にあたります。
仕方なく作った落下が、気づけば物語の核心を担うシーンになっていたのです。
これがカリブの海賊の落下演出が、名場面と呼ばれる理由です。
落ちる高さ・角度・時間はどのくらい?
「5メートル」と聞くとかなり高く感じますが、体感はそれほどではありません。
数字と実際の体感の差を先に知っておくと、乗る時の心構えが変わります。
高さ約5m・角度約20度・時間は2秒
・落下距離は約4.5〜5メートル
・傾斜角度は約20〜23度
・落下時間はわずか2秒ほど
です。
角度でいうと、小学校の滑り台が25〜30度くらいなので、それより緩やかな傾斜です。
スプラッシュマウンテンが高さ16メートル・角度45度だったことを考えると、カリブの海賊の落下がいかにマイルドかがわかります。
座ったままの姿勢でスーッと滑り降りる感覚で、体に衝撃が来るような落ち方ではありません。
数字から見ても、絶叫系ではないことが分かりますよね。
2回落ちたと感じる人もいる
落下は基本的に1回ですが、「2回落ちた気がした」という人も多いです。
それは落下前後にある緩い傾斜と、暗闇の中での音響効果が重なったのが原因かなと。
人によっては、続けて滑り続けているような錯覚が生まれるらしいです。
実際には1回の落下でも、脳が「まだ続いている」と判断してしまう。
これもディズニーの演出が、意図的に作り出している感覚です。
ちなみに私は、1回だけしか感じませんね。
絶叫系ではない独特の怖さがある
カリブの海賊は絶叫系ではありません。
ただ、絶叫系ではないけど独特の怖さがあると、感じる人が一定数いるのも事実です。
その怖さの正体は、落下そのものではなく別のところにあります。
落下を待つ時間が最大の怖さ
落下前、ボートは真っ暗な洞窟をゆっくり進みます。
視界は、ほぼゼ~ロ~の状態。
何も見えないので、これだけで怖さを感じる人もいます。
いつ落ちるかわからない、落下を待ち続けるあの時間が、最大の緊張ポイントです。
これはタワーオブテラーの、落ちる前の状況に似ているかもしれません。
落下直前には骸骨の声で不穏なセリフが流れ、そのまま静寂が訪れて突然ボートが傾き始める。
実際の落下は2秒で終わりますが、その前の待ち時間が最大のスリルなんですね。
大砲・骸骨・音響も怖さの要因
落下以外に怖いと感じる要素として、序盤に登場する骸骨のシーン、中盤の大砲が鳴り響く海戦シーンがあります。
骸骨は動いていて、雷の音や不穏な音楽も重なるため、とりあえず子どもは怖がります。
大砲のシーンは音量がかなり大きく、自分の頭上で打ち合いが起きているように感じるほどリアルな演出。
落下よりも、こちらの演出で驚く人の方が多いかもしれません。
日常ではこれらの体験はしないので、ビックリする怖い系な感じですね。
少し浮き上がる微妙な浮遊感がある
浮遊感については「ある」「ない」で、人により意見が分かれています。
正確に言うと、
「わずかにふわっとする瞬間はあるが、座席から浮き上がるほどではない」
が正しい表現ですね。
まあ、別の見方をすれば「意見が分かれるほど微妙な浮遊感」ということなんですけどね。
ジェットコースターで、浮遊感を感じない人はいませんよね。
乗った人、全員が浮遊感を感じます。
でも、カリブの海賊は人により違う。
なので、微妙な浮遊感なんです。
浮遊感の正体は暗闇による錯覚
ボートが滑り降りる瞬間、体が一瞬だけ軽くなるような感覚があります。
これは落下の勢いで、一時的に重力が緩む現象。
実際に体が浮くわけではなく、重心がすっと下に抜けるような軽い感覚です。
さらに、周囲が完全な暗闇のため視覚情報がなく、わずかな体の動きでも実際より大きく感じてしまいます。
「ふわっとした」という感想の多くは、この暗闇と心理的な錯覚が組み合わさった結果です。
落下系でのお決まりの浮遊感対策
落下前に背もたれにしっかり体を預けて、前方の手すりを軽く握っておくと、重心が安定して浮遊感が軽減されます。
これは落下系での、お決まりの浮遊感対策ですね。
また前列よりも、中列〜後列の方が浮遊感を感じにくいです。
深呼吸をして、体をリラックスさせておくことも効果的。
緊張していると感覚が鋭くなるため、逆効果になることがあります。
つまり、浮遊感対策としては、
「後ろの方の席を選び、しっかりと座ってリラックスせよ」
ということです。
安全バーが不要なほど落下は緩やか
カリブの海賊のボートには、安全バーやシートベルトがありません。
前方に手すりがある程度で、「これで大丈夫なの?」と不安に思う人も多いです。
答えは、安全バーが必要なほどの落下ではないからです。
傾斜角度は約20〜23度と、非常に緩やか。
ボート自体が浮力を持つ、安定した設計になっています。
通常の姿勢で座っていれば、体が外に投げ出されるような動きは一切起きません。
逆に言えば、安全バーなしで乗れるよう設計されているということが、この落下の穏やかさを証明しているとも言えます。
抱っこでの乗車は可能ですが、抱っこ紐の使用と安定した姿勢を保てない状態での乗車は不可です。
鉄道側に落下があったかもしれない
今回は以上です。
個人的に面白いと思うのは、この落下が失敗を成功に変えた例ではなく、制約を魔法に変えた例だという点です。
別に「失敗」ではないですからね。
障壁をうまく活用したって感じです。
土地が足りなかったから、地下に潜った。
その結果として生まれた2秒間の落下が、何十年もの間、何千万人もの人に語り継がれる体験になっている。
これはディズニーが「問題をどう解決するか?」ではなく「問題をどう楽しませるか?」を考えてきた結果だと思います。
乗る前に怖さを調べていた人ほど、実際に乗った時に「思ったより全然平気だった」と感じる傾向があります。
あの2秒間の落下は、怖いものではなく「海賊の時代への扉」だと知ってから乗ると、きっとまた違って見えるはずです。
よく考えてみると、鉄道がなければカリブの海賊に落下はなかったわけです。
逆に、先にカリブの海賊が建設されていたら、鉄道側に落下があったかもしれません。


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